バンドパス較正
- 候補天体
- スキャン時間
- スキャン頻度
JVNのC帯とX帯では、3C345, 3C454.3, 3C84, 4C39.25 等がバンドパス較正天体として良い実績を持ちます。 これらの天体は、フリンジファインダーの役割としても使えます。 NRAOの VLBA Fringe-Finder Surveyも参考にしてください。
JVN観測の一番長い基線および一番感度の悪い基線において、 与えられた1チャンネルの帯域でバンドパス較正天体の連続波放射が S/N 良く検出できることが理想条件です。 実際には、複数のチャンネルを積分したりスムージングをかけて帯域の幅を広げ、 検出の S/N 比を向上させることがよく行われます。 アレイ性能 の基線感度の値を参考にスキャン時間を設定してください。
バンドパスの数時間程度の時間変動を較正するために、 少なくとも数時間に一度バンドパスのスキャンを入れることをお勧めします。
フラックス較正
- 候補天体
- 相対振幅較正法 日立32mによる フラックスモニター にて定期モニター観測されている天体の中からターゲット天体と離角が近い天体を フラックス較正天体として選んでください。
- テンプレート較正法 ターゲット天体から離角が近くて十分に明るい(> 10 Jy)メーザー源を選んでください。
- スキャン時間
- スキャン頻度
- 相対振幅較正法 観測中に最低2回フラックス較正天体のスキャンを入れてください。
- テンプレート較正法 30分〜1時間毎に1回スキャンを入れてください。
相対振幅較正法、テンプレート較正法共に、5分間程度取ることをお勧めします。
振幅ゲイン較正
- 候補天体
- スキャン時間
- スキャン頻度
相対振幅較正法を採用した時に必要となります。 ターゲット天体からの離角が近く、点源の天体構造を持つ天体が理想です。 JVN最長基線でも点源とみなせる明るい天体を選んでください。 ターゲット天体との離角は10度以内が望ましいです。 NRAOの The VLBA Calibrator List が参考になります。
スキャン時間内で十分な S/N 比が得られるように設定してください。 S/N > 20 が理想です。
30分〜1時間毎に1回スキャンを入れてください。
位相補償
- 候補天体
- スキャン時間
- スキャン頻度
ターゲット天体から出来るだけ離角の近い天体を選んでください。 JVNでは経験的に離角< 1.5度が理想です。 また、位置誤差が数mas以上あるものは選ばないでください。 NRAOの The VLBA Calibrator List が参考になります。
観測周波数帯のコヒーレンス時間以内としてください。 また、このスキャン時間で各天体のフリンジが検出できることを確認しておいてください。
観測周波数帯のコヒーレンス時間以内の頻度で ターゲット天体と位相補償天体の切り替えを行ってください。