三鷹相関器の相関設定
- 三鷹相関器では、入力された帯域幅を 8192 点に分光した後、分光点数を 1024点以下に変えて出力します。
- JVN が使用する DIR 1000 系記録では 16 MHz 帯域 2 チャンネルなので、 三鷹相関器内では 16 MHz × 2 = 32 MHz を8192 点分光し、 その中から 1024 点以下の分光点を選択するなり、 あるいは分光点データを数個毎にバインドするなりして、 最終的に 1024 点以下に出力します。
JVN 観測の分光設定
- 連続波観測の場合など帯域幅を最大にとりたいときは、 帯域幅 32 MHz を 8192 点分光し、 8分光点毎にバインドして 1024 点にします。 このときの周波数分解能は 31.25 kHz (32 MHz /1024) となります。
- 三鷹相関器ではさらに、帯域の一部分を選択してその範囲内で 1024 点以下の分光点をとることが出来ます。 メーザー観測の場合では、メーザーが検出される周波数帯域を選択し、 周波数分解能を最大 3.9 kHz (32 MHz /8192) まで高く設定することが可能です。
- 三鷹相関局には、P.I. の希望する周波数分解能や一部帯域選択切り出しのために、 下記の表の通り周波数切り出し設定モードが用意されています。 これらの表に書いてある以外の周波数切り取りや周波数分解能も設定可能なので, まずは JVN 運用責任者 (山口大学藤沢) までご相談下さい。
設定モード名 | 帯域幅 (MHz) | 分光点 | 周波数分解能 (kHz) |
c | 32 | 1024 | 31.25 |
c32 | 32 | 256 | 125 |
c64 | 32 | 128 | 250 |
設定モード名 | 32 MHz 帯域中の周波数切り出し | 分光点 | 周波数分解能 (kHz) |
n1 | 1MHz - 3 MHz | 512 | 3.91 |
n2 | 2MHz - 4 MHz | 512 | 3.91 |
n3 | 3MHz - 5 MHz | 512 | 3.91 |
n4 | 4MHz - 6 MHz | 512 | 3.91 |
n5 | 5MHz - 7 MHz | 512 | 3.91 |
wn0 | 0MHz - 8 MHz | 1024 | 7.81 |
dn1 | 1MHz - 5 MHz | 1024 | 3.91 |
注:モードの名前のつけ方は、基本的には連続波源の場合は数字がバインド数、
メーザーの場合数字が左端の周波数となっている。
例:c32 は32分光点毎にバインド、n1 は全帯域中 1MHz 目から。
注意点
- 8192分光点から 出力 1024 分光点にバインディングするとき、 異なるチャンネルをまたがってバインディング することは出来ません。
- 相関処理では、周波数切り出し設定を処理の途中で変更することは出来ません。 天体毎に異なる切り出し設定を採用する場合は、 相関処理を設定毎に繰り返すことが必要です。