位相補償観測 ログ修正マニュアル
位相補償観測は高速でアンテナスイッチングをしますので、スキャンごとにテープ記録をいちいち止めたりせず連続で記録します。 そのため、VERA以外の局では、アンテナとテープは別のスケジュールファイル(U06***.DRGとU06***R.DRG)で制御されています。 ですから、テープ記録に関して残るログには、アンテナスイッチングの情報が入っておらず、そのままでは相関処理できません。 テープ記録ログにアンテナスイッチング情報を書き込むのは大変なので、テープ交換情報もアンテナスイッチング情報も両方入っているVERA局のログの該当部分を適切に変更し、別の局のログとして作成します。 スイッチングのタイミングは各局異なりますが、大雑把には同じだろうという考えの下です。
三鷹相関局からの御達し
【観測ログについて】
(1) 記録テープに観測名、観測局、何巻目のテープかが
判るようなラベルを貼ってください。またこのラベルを
すでに貼ってあるバーコードの上には貼らないようにお願いします。
(必要であればテプラを購入・送付しますのでお知らせください。)
(2) スイッチング観測の場合は、観測ログはアンテナが追尾した(追尾するはずの)
ログを作成願います。テープの連続記録ログでは相関処理できません。
(手で編集するのは大変だと思いますので、最低 VERA のログをコピーして
テープラベルと局情報と /WX/ を書き換えれば良いと思います。)
(3) 観測ログに気象情報が書いてないことがあります。相関処理に必要ですので
記載をお願いします。
書式は dddhhmmss/WX/ temp (C), press (hPa), humid (%)
です。例は
336012448/WX/ 9.21, 1004.24, 66.53
観測ログ修正の例
VERA のログにはアンテナスイッチングの記録が残っているので、ログを丸々コピーしてきてテンプレートとして使用し、別の局のものに改造する。以下はVERAの生ログ。色つきは、変更する箇所。
(修正前)------------------------------------------------------------------------------------------------------
237134500/EXPER/
U06237Y
237144500/LO/ 01, 23208.00
237144501/STATION/
I, II, ISHIGAKI, AZEL, -3263994.6483, 4808056.3558,
2619949.3944, 0.0
237144502/BBC/ 01, 01, 256.00
237144502/CABLE/ 0
237144502/CLKRATE/
0
237144502/FORM/
01, 01, USB, 32000, 2
237144502/FORM/
01, 02, USB, 32000, 2
237144502/TEC/ 0
237144504/SOURCE/
DUM
, $
, 02, 27, 03.82000, +61, 52, 25.4000, 2000.0, 0.0000, 0.0000
237144504;SOURCE/
W3OH ,
W3OH , 02, 27,
03.82000, +61, 52, 25.4000, 2000.0, 0.0000, 0.0000
237144623/ONSOURCE/
237144628/WX/
28.46, 1007.28, 94.47
237145012/ONSOURCE/
237145017/WX/
28.47, 1007.31, 94.54
237150000/CLOCK/ -4.100
237150000/LABEL/ VSO00233
237150000/ST/
8270093
237151000/ET/ 8336553
(変更後) -----------------------------------------------------------------------------------------------------
237134500/EXPER/
U06237Y
237144500/LO/ 01, 23208.00
237144501/STATION/
K, YM, YAMAGUCH, AZEL, -3502544.2588, 3950966.3969, 3566381.1649, 0.000000
237144502/BBC/ 01, 01, 256.00
237144502/CABLE/ 0
237144502/CLKRATE/
0
237144502/FORM/
01, 01, USB, 32000, 2
237144502/FORM/
01, 02, USB, 32000, 2
237144502/TEC/ 0
237144504/SOURCE/
DUM
, $
, 02, 27, 03.82000, +61, 52, 25.4000, 2000.0, 0.0000, 0.0000
237144504;SOURCE/
W3OH ,
W3OH , 02, 27,
03.82000, +61, 52, 25.4000, 2000.0, 0.0000, 0.0000
237144623/ONSOURCE/
237144628/WX/
24.2, 1011.5, 87.0
237145012/ONSOURCE/
237145017/WX/
28.47, 1007.31, 94.54
237150000/CLOCK/ -4.100
237150000/LABEL/ VSO97029
237150000/ST/
8270093
237151000/ET/ 8336553
[ 注意事項
]
気象データを示す /WX/ は、VERA ログにはスキャンごとに記録されているが、実際には1観測1つを与えればよい(相関器は気象の変化を処理しないから)。 VERAログにある何行もの /WX/ は1つを残して全て消し、残した /WX/ にはその局の気温・気圧・湿度を記入。 その局で測定していなければ、気象庁とかのウェブサイトで調べて記入。
気象データは天頂大気遅延量を計算するのに用いるので、位相補償観測ではできるだけ正確なものを記入したい。